診療案内

甲状腺・糖尿病・脂質異常症・高血圧症・生活習慣病・風邪症状・インフルエンザ・・アレルギー症状・喘息・胃腸炎・下痢・便秘・膀胱炎・痛風・
等の診療を行っております。

甲状腺の病気    
 
 わたしたちの、のどぼとけの少し下に、ちょうちょに似た形をした甲状腺という器官があります。
ここは活動力を維持するのに必要な「甲状腺ホルモン」をいつも出しています。
甲状腺の病気はこのホルモンが出過ぎるか、足りなくなるか、あるいは甲状腺にこぶができるかのいずれかによっておこります。

1、甲状腺ホルモンが出過ぎると

 甲状腺ホルモンが出過ぎると、胸がドキドキしたり、暑がりで、汗かきになったり、食べても食べてもやせてきたりします。つまりいつもマラソンをしてエネルギーを消耗しているような状態になります。
手が震えてイライラしたり、眼光が鋭くなったり、下痢をすることもあります。
健診ではコレステロールが低いとか、ALPという酵素が高いとか指摘される事があるようです。

 甲状腺ホルモンが出過ぎる病気で最も多いのがバセドウ病です。
バセドウ病は二十~四十歳代の女性に多く、甲状腺がはれてホルモンの産生にブレーキが効かなくなる病気です。
治療は脈をゆっくりにする薬や甲状腺ホルモンを抑える薬を飲むことで2~3ヵ月で症状を取ることができます。
しかし、薬で治すには、平均4~5年の服薬治療が必要です。
薬の副作用がある場合、甲状腺腫が非常に大きい場合などは、手術やアイソトープ治療という放射線治療も考慮します。

 バセドウ病以外では、亜急性甲状腺炎も甲状腺ホルモンが出過ぎる病気です。
病状はかぜをひいたあと二週間くらいで甲状腺がはれて痛くなり、熱や関節の痛みが現れます。
炎症によって体の中にホルモンが漏れ出すので、胸のドキドキや手の震えもでてくることもあります。
この病気は炎症を抑えるステロイド剤の服薬治療で完全に治ります。

2、甲状腺ホルモンが足りなくなると

 甲状腺ホルモンが足りなくなると、バセドウ病とは逆に脈がやや遅くなり、寒がりで汗をかきにくく、肌は荒れて乾燥します。
体毛、特にまゆ毛が薄くなり、顔はむくんで動作が鈍くなります。
ひどくなれば、しわがれ声で一回り老け込んだような感じになります。
検査ではコレステロールや、ZTTという酵素が高くなったりするため、健診で高脂血症や肝臓病と誤って指摘されることもあります。
ホルモンが足りなくなってくる原因で最も多いのは橋本病です。
これは90年以上前の大正5年に日本の橋本策博士が報告したもので、現在も世界中で日本語で呼ばれている病名です。
橋本病は、甲状腺が硬くはれ、初期の何年間かは無症状ですが、ゆっくりとホルモンの出方が少なくなってきます。
ただ甲状腺がはれているだけでホルモン正常の橋本病は四十歳以上の女性の10パーセントに見られますから、この場合は経過観察となります。
実際にホルモン値が低下した場合は、甲状腺ホルモンの飲み薬で治療をすれば完全に症状がとれます。
この薬は正しく服薬すれば副作用は全くありませんが、多くの場合は一生涯飲み続けることが必要になります。

3、甲状腺のこぶ(結節)

 甲状腺のこぶは、よく触れば100人中4人くらいに見られます。

多くは良性ですが、急に大きくなるものや、硬くてまわりにリンパ腺が腫れているものは要注意です。
診断は、まず良く触ってみてもらい、超音波検査を行います。
これで80パーセントは診断がつきますが、最後に細い針で細胞を取って、顕微鏡で見てみることが必要です。
いずれも入院せずに10分程度で終わる検査です。
たとえ悪性と診断されても本当にたちが悪いものは5パーセントで残りの95パーセントは進行が遅く、手術によりほとんどが治ります。

 甲状腺というと聞きなれない名前で、めずらしい病気のようですが、以前アメリカの大統領やその奥様がかかったり、実際はかなりの数の患者さんが隠れています。
特に三十歳以上の女性や、親せきに甲状腺の病気の人がいる場合は発病の割合が増します。
しかし、ほとんどは外来の簡単な検査と服薬治療で治るものですから、前述のような症状があった場合には、どうぞお気軽にご相談ください。


糖尿病  

糖尿病は、予備軍まで含めると全国で2000万人以上の人が罹患している病気です。
しかし、症状があまりなく、放置している方も多いのが現実です。
この病気は、長期間放置すると目や神経、腎臓などに合併症を生じ、日常生活に大きな支障を来してきます。

合併症を防ぐには、正しい知識を身につけ、治療していくことが必要です。




脂質異常症(高脂血症)、メタボリックシンドローム 
 
 心臓病と脳卒中は、我々が命を落とす原因の2位と3位です。この心臓病や脳卒中を引き起こすのが動脈硬化です。
動脈硬化を進展させるのが脂質異常症や高血圧、糖尿病、喫煙などですが、症状がなく、何年も放置される場合もしばしばです。

1、脂質異常症のきまり

脂質異常症は血の中の油成分が多くなり(血液ドロドロ)、これが血管にめづまりするタイプの動脈硬化をおこします。

1) 総コレステロール(TC)220mg/dl以上
2) LDLコレステロール(LDL-C:悪玉コレステロール)160mg/dl以上
3) HDLコレステロール(HDL-C:善玉コレステロール)40mg/dl未満 4)中性脂肪150mg/dl以上

のいずれかを満たすものをいいますが、中でも悪玉のLDL-Cが重要です。LDL-Cは計算(LDL-C=TC-HDLC-TG/5)でも出せますので皆さんも自分の値を計算してみてください。これが160mg/dlを越えていてHDL-Cが40mg/dl未満なら要注意です。

2、どこまで下げるか脂質異常症

脂質異常症は単独の病気というよりも、他の動脈硬化を起こしやすい病気と合わさることにより厄介になります。
むやみに下がりすぎは禁物ですが、動脈硬化の危険因子である糖尿病や高血圧、加齢(男性55歳↑、女性45歳↑)、喫煙習慣、家族に心筋梗塞の人がいる、HDL-Cが40mg/dl未満の方は厳しい管理が必要です。
実際LDL-Cの目標値は動脈硬化危険因子が無い人なら160mg/dlまで、危険因子2つまでなら140mg/dl未満、4つまでなら120mg.dl未満となっています。

3、 メタボリックシンドロームにご用心

私達が肥満してくると、皮下よりも内臓(腸管の周りや肝臓あたり)に脂肪がたまり易いことがあります。
内臓脂肪蓄積は、糖尿病や脂質異常症や高血圧をおこしやすく、一つ一つは軽くても、合わさると動脈硬化をおこやすくなります。
これをメタボリックシンドローム(代謝症候群)と呼び、2007年4月に日本人の診断基準が決められました。
臍周囲が男性85cm以上、女性90cm以上、その上で

① 高中性脂肪血症150mg/dl以上かつ/または低HDL-C血症40mg/dl未満
② 血圧130mmHgかつ/または85mmHg以上
③ 空腹時血糖110mg/dl以上 のうち二つを満たすものを呼びます

健診では「少し肥満で少し血圧が高めで少し中性脂肪が高めですが、薬の治療はまだ必要ありません。バランスの良い食事運動を心がけましょう。」といわれ、人によっては一安心してしまう程度の値ですが、実は心筋梗塞や脳卒中の危険は3倍から4倍高いのです。
この段階で手をうつことが大切です。

4、 治すぞ!脂質異常症、メタボリックシンドローム

治療の第一歩は生活習慣の見直しです。

さあ今日から始めてみましょう。
目標は血液サラサラ!

① 腹八分目、あわてて早食い大食いのもと
② 朝食しっかり、食事は三度に分けて食べましょう
③ 毎食野菜は6種類。大好き果物午前中
④ 寝る前アイスやスナック菓子・焼酎・ビールは、中性脂肪・肥満のもとです、やめましょう。
⑤ お豆、海藻、キノコ、こんにゃくコレステロールを追い出すぞ
⑥ 濃い味やめて薄味で、素材の味を楽しもう
⑦ 構えず始めるウォーキング、今日から今から一人でも。スニーカーはいて外の空気を深呼吸。
  会社の帰り、駅の階段颯爽と。
⑧ タバコ1本、吸えば血管一本詰まりそう
⑨ 睡眠、休養十分に。寝不足ストレス血圧上昇
⑩ 頑張ってもだめな時、薬も大事な治療


肥満の話

きまり:肥満の定義、決まりなんてあるの?肥満ていうのは着やせする人とか、顔はやせているけど実は太っているとか、その逆とか色々な人がいて難しいので一応一般的には身長と体重で計算して決めています。

          体格指数(BMI)=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
          標準体重(kg)=22×身長(m)×身長(m
何年も経過を見ていると、どうもこのBMIが22に近い人が最も病気が少なくて長生きするようだ☆ということが分かってきました。だから、BMI22を標準体重と決めています。
日本では(BMI)が25以上を肥満といって、19以下はやせすぎということが多いようです。
欧米ではこのBMIできめると4割以上の人が肥満になってしまうのでもう少し高い値を肥満と定義しています。
☆じゃあおすもうさんはみんな肥満?
おすもうさんは上のきまり、つまりBMIからするとほとんど全員肥満です。しかし医学的には、おすもうさんには肥満の人もいればそうでない人もいるのです。
肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧の原因になるから注意しましょう☆とさかんに言われています。
でも病気がおこるのは体重に対する脂肪の量、割合(体脂肪量、率)が多いからなのです。
BMIが多くても体脂肪率が適正な人は、上のような病気にはなりにくいし、逆にBMIが普通でも、筋肉がなくて体脂肪の多い人が病気になりやすいのです。これが体重だけでなく体脂肪測定が大事になってきたわけです。
幕内のおすもうさんはほとんどが体脂肪率20%前後だそうです。
☆肥満についてもう少し詳しく
体脂肪が多いのが、医学的な真の肥満だ☆ということがわかりました。医学は進歩して、もう少し詳しくわかってきました。肥満にも脂肪のつきかた、つく場所で病気になりやすい、なにくいタイプがあるのです。
一般に
上半身型、りんご型肥満は内臓に脂肪がつきやすく(内臓脂肪型肥満)
好ましくない肥満で高血圧、高脂血症や糖尿病になりやすく、
下半身型、洋ナシ型肥満、皮下脂肪型肥満
比較的合併症のおこりにくい肥満とされています。

 


肥満の中では良い方         よくない
 〇下半身型・洋梨型肥満       ×上半身型・りんご型肥満